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〜ラーメン二郎が好きすぎてアプリ化〜 ゲームをバズらせるための思考法。

〜ラーメン二郎が好きすぎてアプリ化〜 ゲームをバズらせるための思考法。

今回のインタビューは、東北大学大学院情報科学研究科2年生の岡野健久さん。自身が制作するスマホゲーム“マシマシ! ~タップで大盛り大作戦~”が、東北大生になじみ深い、あの黄色い看板のラーメン屋をモチーフにしたことで、リリース前からバズっている。“ジロリアン”と公言する彼らしい作品に、期待が高まる一方だ。
本インタビューの【前編】では、ゲームの概要と制作過程について、【後編】では、彼を突き動かすバイタリティの源に迫る。

企画したいの一心

ー本日は、リリース前から話題のゲーム”マシマシ~タップで大盛り大作戦~”を製作中ということで、インタビューさせていただきます。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

ー本当に名前がいいですよね。(笑)

すごいダサいですよね。(笑) でも、ちょうどいい。(笑) あの極太なフォントも。ー

ーわかります。思わず、口ずさんでしまいそうな。

ゆっくり言えば言うほど、クセになる。(笑)

ーはい。(笑)​

岡野 健久

1994/07/15生まれ。
群馬県出身。
群馬県立渋川高校を卒業後、東北大学工学部情報知能システム
総合学科(現 電気情報物理工学科)へ進学。​
1年次4月:川内バドミントン同好会と東北大学Masspy 所属。
10月:川内バドミントン同好会部長に就任。
4年次:Atelier T³を発足し、ゲーム開発を始める。
同大学を卒業し、東北大学 大学院情報科学研究科へ進学。
修士1年次9月:3Dパズルゲーム“Routic Cube”をリリース。
10月:台湾国立清華大学へ短期留学(データ科学実践力養成のためのグローバル派遣プログラム)
現在、2作目として“マシマシ! ~タップで大盛り大作戦~ ”を作成中。
2019/03卒業予定。

ー具体的に、製作中にゲームの内容を教えて下さい。

はい。1作目の“RouticCube”は、3Dパズルゲームです。

宇宙に浮いてる枠に対して、キューブがあって、それを回転させることによって一致させ、一本の道を作るもの。キューブに穴が開いているんですけど、回転させることで、穴をつなげていく。つながると、一本の道が通る立方体ができるパズルゲーム。難易度はどんどん上がっていきます。

ー私も遊んで見たんですけど、すごくスマートでした。 

かっこよく作ってみました。

2作目の“マシマシ! ~タップで大盛り大作戦~”は、まずラーメン屋さんに入店します。
そして、券売機に向かい、playボタンを押す。すると、「お客さん、ニンニクは入れますか。」ってところから始まって、すぐにショウガだったり、ニンニクだったり、肉だったりが降ってきます。それをタップしていって、お皿の上に高く積んでいくゲーム。

分からなかったら、ピアノタイルを想像してほしいです。ピアノタイルは音ゲーですけどね。笑

ライフがなくなる前に、自分がいかに高く積めるかを競うものだね。1タップごとにスコアを獲得できる仕組み。

ー1作目から、大きく離れましたね。すごく面白いです。これらのゲームを、1人ではなくチームで製作しているとお聞きしたのですが、本当ですか。

はい。今、 “Atelier T³” (アトリエティーキューブ)という団体で活動しています。​

“Atelier”は「なにかを生み出す場」と言う意味です。そして、“T³”はメンバーのイニシャルから来ている。
僕たち今、3人で活動していて、それが「たけひさ」「たつひこ」「たつや」と言う名前。

さらに、一作目のゲームである“Routic Cube”にちなんで、キューブと読ませているんです。笑

ーなるほど。(笑)

* 左:たつやさん / 右:たつひこさん 

ーでは、そのメンバーとはどういった出会いなのですか? 

彼らとは、学部生時代からの友人です。初めての出会いは、学部2年次のコース選択の時。そこで初めて、たつやと出会いました。

そのたつやの友達がたつひこで、引き合わせくれたんです。たつひことの出会いは、もう少し後になりますが。

たつやはとても面白い人で、私はずっと、「一緒に何かしたいな。」と思っていました。

もともと私は、仲良くなった人と何かを企画すること、自分たちが企画したもので遊ぶことがとても好きで、サークル活動でも多くのイベントを企画していたんです。  

でも、たつやにはずっと言えないでいました。授業で出会っただけだし、いきなり、「企画しよ。」って言ってもおかしいから。笑 

そんなこんなで月日が経って4年になり、続々と同期が対外的な活動をするようになりまして。彼らの姿勢に焦りを感じ、ついにたつやに「何か企画しよ。」って伝えたんですよ。

会議中の一コマ 
左:たつやさん / 中:たつひこさん /右:健久さん 

Atelier T³

初心者ゲームクリエイター集団
2016年:当時工学部生だった3名により発足
2017年9月:3Dパズルゲーム“Routic Cube”をリリース
現在:2作目として“マシマシ! ~タップで大盛り大作戦~ ”を作成中

ー2年越しの想いを伝えたんですね。(笑) 

そうなんです。(笑) 図書館に来てもらって。
それからすぐに、企画内容をブレストしていきました。。

それが“Atelier T³”の始まり。

ーわかりました。企画の方向性は、もともとゲームだったのですか?

いや、ゲームと決まっていたわけではなかったです。
何かを企画したいって思いだけで、始まったから。

私は、イベント系でもよかった。サークルでよく、イベントや合宿の企画を行なっていたから、要領も楽しさもわかっていたんです。

でも、せっかく情報系の2人が集まったわけだし、たつやも大勢が集まるイベントが好きなタイプでなかったこともあって、たつやとならプログラミングを使ったサービスを作りたいな、と思いました。

楽しそう…

ー面白い。自分たちの能力を1番活かせる分野で企画する、という発想ですね。その分野で、パズルゲームを選んだ理由はなんですか?

初めは、SNSのようなwebサービスも考えていました。でも、自分たちの拙いプログラミング能力とアイデアを考慮したとき、まず無理だなっと思ったんです。

長時間Twitterみていても、どうやって作るのか分かりませんでした。笑
だから、比較的作り方が思いつく、ゲーム作りから始めることにしました。

それに加えて、以前からオセロのチュートリアルを作っていたことが、影響しています。オセロもパズルゲームも原理は似ていて、イメージしやすかったんです。

ーなるほど。少しだけ経験はあったんですね。あの世界観も自分たちで作り上げてったのですか?

世界観自体は話し合いながら練り上げていきました。それをBGMとかイラストで完成したものを作ってくれたのがたつひこです。

“Routic Cube”のプログラムが完成に近づいたときに、世界観を実現するイラストやBGMを入れたくなって、たつひこにも参加してもらいました。

たつひこは、もともと所属していたサークルでエレクトーンを弾いていて、音楽に詳しかったんです。さらに、そのサークルでビラのイラストも描いていたから、クリエイティブも得意で。

ー3人の能力の住み分けが出来ているのがすごくいいなと思います。

最初たつひこはBGM担当でしたけどね。(笑)

数字よりも生の声

ー1作目(Routic Cube)の反響は、どうでした? 

それが、数字的には2400アクセスもありました。

UnityRoom(無料ゲーム投稿サイト)で公開したんだですけど、そこで公開されているゲームの平均アクセス数が300から500アクセスなんですよ。

ーそれはすごいアクセス数ですね。

でも、それ以上にうれしかったのは、ユーザからのコメントだったんです

知り合いの知り合いに、パズルの問題を解くたびに「○問目クリア」ってツイートしてくれた人がいて、その人が「操作性はイマイチだけど、問題がしっかりしていて、パズルとして解きごたえがある。解きごたえがあるから、結構頭使う。」ってコメントしてくれて。
これが、すごく励みになりました。
わざと最後いきなり難易度上げたんですけど、その人は最後まで解ききってくれてたんですよね。(笑)

ー最後意地悪すぎます。(笑)でも、そういうリアルなコメントが一番うれしいものなんですね。アクセス数を上げるために、工夫していたことはありますか?

UnityRoomのサイトで、常にトップページに載れるように、頻繁に更新したことです。
常に、新着でありたいので。(笑)

あとは、個人にFacebookやツイッターで宣伝していました。

ー面白いですね。

実際には、批判もあったんですけど、それは次に生かすことにして、すぐに次の制作をはじめました。

遊び感覚でつくる

ー1作目のパズルゲームが大反響だったんですね。

おかげさまで、ありがとうございます。
でも正直、1作目の内容なんて、なんでもよかったんです。

なぜなら、私たちの最初に目標は、そのゲームで一発当てることではなく、自分たちがゼロイチで作り上げたものを公開すること、簡単にいうと、作りきることだったからです。

ーそうなんですね。目標の立て方と目標にあったサービス設計って大事ですよね

そうです。初めは簡単なプロダクトから、完成までのプロセスを楽しむことにしました。

ーでは、1作目を作り終えて、目標も変わってきたのですか?

そうですね。
1作目の完成度を高めていくことではなくて、前回できなかったことを2作目で実現したいと思いました。

目標としては、まずアプリで作ること。次に高い完成度を目指すこと。具体的には、アニメーションやイラスト、グラフィック、3Dなどです。

ー本当に拘っているんですね。

そうなんです。実際にタップする麺や具材も、イチからイラストレーターに書いてもらっていて。

ーすごいですね。それをメインで作っているのは、たけひささんとたつやさんですか?

いや、今回はコードは俺が一人で書いています。そして、たつやは具材のイラストを書いてくれています

たつひこには、BGMとタイトルと背景のイラストをお願いしています。

ーたつやさん、コードもイラストも書けるのか…。

でも、反省点もあって、あまりにも一人でコードを書いてしまったから、どういう風に書いたのかを共有できていなかった。

それによって、二人の提案をすぐに実現できませんでした。
あと、メンバーのモチベーション管理に苦労しています。やっぱり、無給でやるわけだから、いかに長く楽しい状態をキープできるか考えているんですけど。

遊んでるような感覚で、制作できるようにしたいんです。

スピード感をもってやる時間と、ワイワイ楽しみながら作業する時間のバランスがほんとうに難しいです。

*Routic Cube

ー2作目のゲーム内容はどう決めていったのですか?

それは、まず目標を先に決めました。

そのあと、それにしたがってブレストしていきました。
そしたら、ブレストの途中でラーメンの話に逸れていっちゃって(笑)
意外とつながったから、それで行こうって決めたんです。

ー(笑)。 本当にゆるく決まっていったんですね。

そうですね(笑)

でも、自分たちが1番楽しまないと、この活動は続かないから。
自分たちが1番好きにならないと、誰も遊んでくれないので。

そういうものが結果、バズるんだと思います。

ー確かに、使う側もそこは意外と気づく部分ですよね。自分の好きなものから発信すると強いですし。

はい。さらに野望を話すと、マシマシにルーティックキューブを絡めたいんです。
マシマシで具材を高く積むことで、宇宙にいっちゃって、背景でキューブがくるくる回っているようにしたい(笑)

次に作るゲームは、野菜を作るシミュレーションゲームにして、その野菜がマシマシに具材となるみたいなと。(笑)

ーくだらなすぎます。(笑)

お笑い芸人になりたかった

ーでは、岡野さんはいつから、自身で企画するようになったのですか?

大学入学してサークルに所属してからです。

ーはい。岡野さんの中で、自身で何かを発信するよう突き動かすものって何ですか?

多くあるけど、根本的なものは幼少期の経験が大きいです。

小さい頃、家族やいとこを含めた親戚の集まりって多いじゃないですか。岡野家も例外なく年に数回ありました。

俺は親戚の中で一番末っ子だから、全然相手にされなかったんですよ。
話題になるのは、いつもお姉ちゃんたちのことばかりで。
大人に相手にされずにほんとに寂しかったんです。
本当は構ってほしいのに、ゲームして交わしていたんだと思います。。
でも、幼いながらにどこか、親戚間で話題になりたい。注目されたい。家族に笑ってほしいって思いがありました。
からかわれた笑いではなくて、自分が考えたこと、発信することで笑ってほしかったんです。

ー末っ子ならではの悩みだったんですね。

はい。それもあって、当時の将来の夢は、お笑い芸人でした。(笑)

小学校入学したあとも、クラスの話題になる人、話題を持ち込む人に憧れていました。
いますよね、初めてカードゲームを持ちだす奴とか。(笑)

その思いは、ずっと自分の中に一貫して持っていて、大学入学後もサークルのメンバー相手に企画を持ち込んでいました。それもひと段落して、いまは世の中相手にプロダクトを発信しています。

ー素晴らしいです。これからもみんなに多くのワクワクを届けてください。

現在、イベント企画やゲーム作りと、周囲の人に対してワクワクを届ける彼のバイタリティは、幼少期の寂しさにあったとは驚きでした。

当時から、家族、クラス、サークル、社会とステージは変わっても、自分の価値観を一貫して持っている姿勢に、筆者としては敬意を表したいと思います。

自身の日常生活から湧き出るインスピレーションを大事する彼らしい、ユーモアのあるインタビューでした。

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