とんぺいJが新しくリリースしました!

地球外生命体はいるのか?宇宙へのロマンとメディアアート

地球外生命体はいるのか?宇宙へのロマンとメディアアート

今回のインタビューは、東北大学の理学部 宇宙地球物理学科の小山 俊吾さん。
大学2年の時に1年間アメリカへ留学しデザイン,メディアアート,プログラミングなどを学びつつも、帰国した現在は地球外生命体の研究をしているという。
本インタビューの【前編】では、地球外生命体の研究に関して、【後編】では、メディアアートの活動も行う彼の今後の展望に迫ります。

地球外生命体へのロマン

ー今日はよろしくお願いします。俊吾さんは現在どんな研究をしているんですか?

僕が取り組んでいる研究は、広くアストロバイオロジーと言われています。

この分野は、大きく「地球の生命の起源の研究」と「地球外生命体の研究」の2つに分けられていて、僕が取り組んでいるのは後者の「地球外生命体の研究」ですね。

ー地球外生命体っていわゆる宇宙人??

そうですね(笑)。地球外生命体を発見するための研究です。

地球外生命体がいることを100%証明するには、実際に惑星に探査機を打ち上げる必要があるので、かなり大掛かりになるんですよ。

地球外生命体発見までの手順は大きく2つのステップがあります。

小山 俊吾

群東北大学4年 理学部 宇宙地球物理学科. (2019卒予定)
地球外生命体の可能性を探る研究をしている。
大学2年から3年にかけて1年間カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。

そこでデザイン,メディア芸術, プログラミングなどを学んだところ、予想以上にハマってしまった. そこから独学し,大学祭で自分で立ち上げた団体でメディアアート作品を展示するまでになった。

STEP1では、惑星進化モデルの予測と宇宙望遠鏡による惑星の観察から、「どの惑星に地球外生命体がいそうか」の仮説を立てます。
STEP2では、その惑星に実際に探査機を飛ばして地球外生命体を探します。

僕が主に行なっているのは、STEP1です。

最近、宇宙望遠鏡の技術が発達したことで、太陽系外惑星を正確に観察することができるようになったので、宇宙分野の研究が活発化してきているんです。

現在で太陽系外惑星の大気が「どういう物質で構成されているのか」、「どんな環境なのか」まで観察できるようになってきているので、10年以内には太陽系外惑星の大気をもっと正確に観察できるようになるでしょう。

引用 : ​宇宙望遠鏡で観察された火星の大気

ーなるほどですね。つまりは、惑星の大気を分析することで、地球外生命体の存在を明らかにしたいと? 

そうですね。

もっと言うと、作成した惑星進化モデルによって予測された大気の構造と、実際に宇宙望遠鏡で観察した大気の構造が一致した場合、その惑星が過去から現在にかけてどういった進化を遂げてきたのかが証明できるのです。

ですから、その進化の過程のなかで、「あの時代のあの惑星は、生命に適した環境であったから、地球外生命体がいたかもしれない」などと予測が立てられるのです。

ー現在の研究で、地球外生命体がいそうだと言われている惑星ってどこなんですか?

例えば、「過去の火星」や「エウロパ」ですね。

「過去の火星」は、地球に非常に似ていたと言われていて、もしかしたら生命の痕跡がまだ残っているかもしれないと考えられています。

一方、「エウロパ」とは木製の周りを回っている惑星です。「エウロパ」は表面が氷で覆われているんですが、中は水になっていると考えれらていて、もしかしたらその水の中に生命体がいるかもしれないと言われています。

ーすごい話ですね。。ところで実際問題、地球外生命体って本当にいるんですか?

それは、、、誰にもわからないですね(笑)。でも研究者たちは地球外生命体を信じていますし、ロマンですよね。

引用:火星
地球外生命体がいるかもしれないと言われている惑星「エウロパ」/(http://www.gibe-on.info/entry/europa/)

中学時代に相対性理論に出会った

ー宇宙の研究に興味を持ったきっかけは何だったんですか?

中学一年生の時に、アインシュタインの相対性理論を読んだことがきっかけです。

それを読もうと思ったのは父親の小言からだったんですが、「光の速度を超えると時間が遅れるらしいよ。」って普段の会話の中でタイムマシンについてさらっと言っていたんです。

本当に何気ない会話の中の一部だったのですが、僕にはその言葉がかなり衝撃的で。

それからすぐに相対性理論の本を買って読んだら、どっぷりハマってしまいました。

引用 : アインシュタイン

ーすごい話ですね(笑)。

だって、時間が遅れるのか…って。
時間が遅れて、理論的には過去に行けるのかって。

それから、宇宙に関するいろんな本を読むようになって、授業中もずっと読んでいましたね。

その他にも、中学2年生の時に参加した「創造性の育成塾」という科学が好きな学生たちのための合宿も大きかったと思います。

選考の倍率は結構高かったんですけど運良く通過することができて、合宿では様々な科学に関する授業を受けることができました。

そこでの授業は受講してみて全部面白かったので、「将来は科学の研究をしたい」という思いが強くなりました。

楽しそう…

ーそうなんですね。科学の中でも生命に興味を持ったのはなぜですか?

高校生くらいから、生命に一番興味を抱くようになったんです。
ただの物質があることをきっかけにして、アミノ酸やタンパク質などをつくり、超複雑な構造を自身でつくり、動き始めて、さらには増殖し始める」ということがすごく不思議で。

宇宙の始まりもかなり不思議だけど、生命も同じくらい、またはそれ以上に不思議に見えたんです。

そこから、地球外生命体に興味を深めていきました。
地球の外に生命はいるのか」、「いるとしたらどんな形体をしているのか

もし、地球外生命体が1体でも見つかったら、おそらく宇宙のどこにでもいると考えられるし、そうしたらもちろん地球外生命体とコミュニケーションもとりたくなりますよね。

これはもうロマンですね。単なる好奇心で動いています。

​メディアアートコミュニティの創設

研究活動以外に、メディアアーティストの肩書きも持つようですが、メディアアートに制作をするようになったきっかけを教えてください。

それは、大学2年生のとき、カリフォルニア大学に1年間交換留学したことがきっかけでした。
交換留学の目的といえば、自身の専門である「物理を学びに行く」という考えが一般的かも知れませんが僕は違くて。
「物理以外を学びたい」というのが本心でした。

東北大学の制度上、大学受験の時から物理が専門ではあったのですが、当時高校生で強い覚悟を持って選んだわけではなかったんですね。

もともと生物系やデザインに興味があったこともあって、現地校では生物系やデザイン、加えてプログラミングをはじめとした工学系の授業を受けていました。
そこで出会い、関心を寄せたものが、メディアアートだったんです。

帰国後はすっかり物理への興味は落ち着いて、メディアアート制作に没頭していましたね(笑)

ーメディアアートってどういうものなんですか?

逆にどんなイメージですか?

ー落合陽一さんのイメージですね(笑)

そうそう。
「光やアルゴリズムなどの工学的技術を使って何かを表現すること」だと思います。

本当にそれがカッコ良すぎて、ハマってしまいました。帰国してから3ヶ月くらいは、独学でいくつか作品を作っていましたね。

落合陽一さん(http://www.asahi.com/ad/start/articles/00118/)
落合陽一さんの作品(https://www.youtube.com/watch?v=YMhtiufPKsk)

ーメディアアート制作にはプログラミング技術が不可欠だと思うんです。留学時に習得されたとお聞きしましたが、それ以前からプログラミングに興味があったんですか?

実は、もともとはプログラミングが大嫌いだったんです(笑)
大学1年生の時は、自分から敬遠していたところもあって「コンピュータ言語は自身に向いてない」と思っていました。

でも、留学時に友人からプログラミングの授業に誘われて受講してみたら、「案外やってみたら面白いな」と思えたんです。
それに加えて、現地の友人はみんな既にプログラミングができたんです。彼らの影響や手助けも本当に大きかったですね。

ーアートやデザインへの興味はどんなきっかけだったんですか?

どうなんだろう。もともとPerfumeが好きだったことですかね。

Perfumeのライブ演出って、本当にすごくて…
光を使った演出をするんです。

そのライブの演出家は、メディアアーティストの真鍋大度さんと言う方なのですが、彼のことが好きなんです。

彼のことを調べるうちにメディアアートへの興味が強くなって、制作に踏み切ったんです。その流れで帰国後半年経った頃には、後輩を誘ってMEDIUMというサークルを立ち上げました。

去年の大学祭では、サークルでブースを設け、自分の作品と、後輩の作品3つを公開しました。
今年も大学祭でブースを設ける予定なんですよ。 

真鍋大度さん(https://partner-web.jp/article/?id=239)
真鍋大度さんが演出した「perfume」のLive(https://www.youtube.com/watch?v=gI0x5vA7fLo)

ーメディアアートのコミュニティを作ったんですね。小山さん自身はどういう作品を作ってるんですか?

最近では、オーロラを表現した作品作りました。
直接、オーロラの研究をしていたわけではないのですが、研究分野が同じことであったり、友人がオーロラの研究をしていたこともあって、その知見を活かした、勉強にもなるアート作品作ろうと考えたんです。

作品では、見ただけで、実際に天井に映るオーロラだけでなくオーロラが発生する原理も分かるようにしています。
さらには、先ほど言ったようにPerfumeが好きなので、楽曲を採用し踊る人間の動きに反応して光が変化する作品を制作しました。

ーなるほど。こういったメディアアートのコミュニティは東北大になかったんですか?

僕の知る限りはないですね。
「無いなら作ろう」って意気込みましたね(笑)

光学技術をインターフェイスに生かす研究室はあるんですが、アートにして公開しているのはうちだけだと思いますね。
もっと、一緒に活動してくれる方がいるとますます面白くなると思います。

MEDIUMとして学園祭で発表したオーロラの作品(https://www.youtube.com/watch?v=sC9GHbpsz18)

マルチで活躍したい

ー本当に精力的に活動してますよね。

そうですね、研究とメディアアート以外だと去年観光ベンチャーでインターンしていたこともあって、観光ビジネスにも興味があるんです。 

でも、今はやはり研究への意欲が高いですね。

ー将来は研究職に就きたいと考えていると?

いや、まだ考えていません。研究職は向いている方と、向いていない方に分かれる職種だと思うんです。

ずっと同じ部屋に通い、ずっと同じ人にあって、分野にもよるけど、ずっとコンピュータを前にする仕事なんですよ。

それが自分に合うのか、それとも合わないのかは、もう少し研究してみないと見たら分からないことだと思うんです。
研究を数年続けてみて「やはり向いていな」と思ったら、宇宙系か観光系のビジネスに携わりたいと考えています。

ーなるほど。

何をやるにしろ1つに絞るという考えはなくて、いくつかやりたいなと考えています。

ーマルチで?

そうそう、マルチで働きたい。
たとえ、研究者になったとしても、研究以外の分野にも取り組みたいです。

それが、ベンチャー企業なのか、一般向けに研究を紹介するイベントなのか、メディアアートなのかはわからないです。

ただし、宇宙とメディアアート相性は良いと実感しています。
「宇宙を巻き込んだ、メディアアートを大規模にやりたい」とも思っています。

ー絶対相性いいですよね。オーロラの作品見て確信しました。

ですよね、まだ誰もやっていないですけど。
でも、本当に決まっていなくて、アメリカや欧州の大学院の博士課程に進むことも、あり得ますね。

直近は東北大学院で研究をやり遂げて、それ以降は好奇心の赴くままに生きていくつもりです。

留学カテゴリの最新記事